高木仁三郎市民科学基金(高木基金)は、原子力時代の1日も早い終焉のために生涯をかけて取り組み、「市民科学」に力を尽くした高木仁三郎の遺志に基づき、「市民科学者」を志す市民やグループへの助成を行います。
2011年3月11日の東日本大震災における東京電力福島第1原発事故は、現代の科学技術がはらむ脅威の深刻さと、私たちがそのような科学技術とどのように向き合うべきかという根源的な問題を浮き彫りにしました。しかし、それらの問題を置き去りにしたまま、原子力事故でも最も深刻なレベル7とされた福島原発事故を過去のものとし、原発再稼働をすすめる動きが加速し、新たな「安全神話」がかたちづくられようとしています。
私たちが取り組むべき課題は、核・原子力に限らず、有害化学物質による環境汚染や健康への被害、廃棄物の処分、生物多様性の減少、自然資源・生態系サービスの喪失など、多岐にわたります。さらに、憲法や民主主義の根幹をないがしろにするような政治の動きもあり、私たちは人権や安全保障の問題にも、「地球市民」の観点に立ち、これまで以上に危機感を持って課題にあたる必要に迫られています。
持続可能で平和な社会を実現していくために、私たち一人ひとりが問題の現場で自ら学び、専門性を高め、問題の解明に主体的に関与していくことが重要だと考え、高木基金は、そのような取り組みを積極的に助成していきたいと考えています。
なお、高木基金の助成に、初めて応募をする方は、応募前に、Eメールまたは電話にて事務局への事前相談を行った上で正式の申込みをすることをお勧めします。
その他、ご不明の点は遠慮なく事務局にお問い合せください。皆さまからの積極的な応募をお待ちしております。